2009年度 第3回国際講座開催報告

    講師 楊  逸(やん  いー)
    芥川賞受賞作家
    テーマ 「作家から見た日本と中国」
    開催日 2009年9月5日(土)
    場所 城西大学東京紀尾井町キャンパス

    1987年に就学生として(留学生としてではなく)来日した。外国なら、どこでも良く、中国から出たいという気持ちから、日本へ来た。小学生のとき、外国からの賓客のお迎えとして各学校で4~5名のかわいい小学生の選考に自分が選ばれず、せめて外国からの来賓を見に行こうとしたが、それも叶わなかったことから、外人は偉い存在と思っていた。

    上海空港は当時、普通の人は入れない特別な場所だった。上海空港は騒がしいが、成田空港は清潔できれいで静かで、日本は居心地がいいと思った。中国人は皆同じようなファッションの服を着ているのに比べて、日本人の服装は鮮やかではないが、多様性を感じる。

    日中の文化の違いを様々なところで感じる。例えば、中国人は初対面の人でも、家族構成、年齢など個人的な内容を平気で聞く。一方、日本人は穏やかで微笑ましい。つまり距離を上手く保ちながら上手に付き合っているのが日本人である。

    さらに、日本民族は別名 大和民族とも言われ「和」という漢字が使われているように、友達の輪、和を大事にする。一方、中国民族は別名 中華民族と言われ「華」という漢字が使われているように、中国人は派手な色を好む傾向があると感じる。

    日中間の文化の違いは、違う生活様式、違う価値観、違う常識があることが原因である。日中それぞれに違う文化があるという覚悟で中国と接する必要があると思う。

    互いに相手のことを非常識と思うのではなくて、最初から常識は違っているものだと考えて欲しい。

    楊 逸(やん いー)氏

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