2010年度 第1回国際講座開催報告

    講師 嶌 信彦
    ジャーナリスト
    テーマ 「30年後の存在価値は?-日本の将来」
    開催日 2010年6月19日(土)
    場所 城西大学東京紀尾井町キャンパス

    2010年度第1回目講義は、ジャーナリストの嶌 信彦氏を講師にお迎えし、「30年度の存在価値は?-日本の将来」というテーマで開催されました。

    80年代は日本企業は世界市場を席捲したが、90年代は日本の各産業で合併・再編が続き、今、日本は将来に自信が持てなくて不安になっているように見える。現実に、日本の人口減少のペースは年々早まり、BRICsの伸長もあって相対的に日本の国力は落ちてきている。

    嶌 信彦氏

    一方、中国の中間層は4億人とも言われ、このボリュームゾーンを含めて、今後市場の拡大が見込めるアジア全体の中で、日本の将来のあり方を考えるべきである。 しかし、そのやり方は、20世紀の従来のやり方(低コスト大量生産)ではなく、21世紀は別の競争モデルを確立すべきである。

    それは、つまり1次産業は高い付加価値を持った1.5次産業に、同様に2.5次産業、3.5次産業にすることである。農業はハイテク化により1.5次産業化する。工業は、携帯電話や家電製品などに使われている貴金属の再生利用や環境技術を活かした2.5次産業化を目指す。 3次産業については日本人の美意識や感性を活かした産業、さらには四季の変化が美しく、温泉、和食、歴史的遺産、エンターテイメントも豊富な日本の観光産業というものが、3.5次産業の中心になるだろう。これらの産業が、日本が再成長するチャンスになる。 新興国がいくらがんばっても追いつけないような新しい産業を作れば、再成長のエンジンになるものと考える。

    予定時間を越えての講義であったが、終了後は活発な質疑応答が行われ、受講者には有益な時間を過ごしていただくことができた。

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