2013年度 第1回国際講座開催報告

    講師 嶌 信彦氏
    ジャーナリスト
    テーマ 「日本人の覚悟 - 大動乱を超える!」
    開催日 2013年6月22日(土)
    場所 城西大学東京紀尾井町キャンパス

    ここ一年半位の間に、中東、欧州の主だった国の首脳が交代し、ロシア、中国、韓国、北朝鮮でもトップが交代した。日本もまた然り。米国はオバマ大統領が再選を果たしたものの、閣僚の多くが交代した。已むなく交代したケースも多いが、リーダーの交代は世界が変化することの予兆である。

    かかるリーダーの交代の背景にあるのは、政治、経済、自然の混迷である。リーマンショック、ユーロ危機と続く経済の混乱は世界全体で二極化を引き起こし、延いては政治の混乱を招いている。また、地震、竜巻、砂漠化といった自然災害も大きな影響を及ぼしている。或る日突然起こる自然災害により、昨日と今日、今日と明日が分断されるという不条理な状態に我々は置かれているという事を、3・11は示した。

    嶌 信彦氏

    大動乱の時代に我々は生きていると言えるが、今後どのように生き抜いていくかが問われている。米国は、ITやシェールガスといった新しい産業を振興している。EUは市場統合により、域内でより効率的・戦略的な産業展開を進めている。では、日本はどの様な形で甦っていくのか。日本は今なお、環境、ロボット、ナノテク、医療、材料、インフラ技術など広い分野で、世界に評価される素晴らしい技術やノウハウを持っている。

    今後アジア・太平洋地域が世界の成長センターとなることを見越し、米国、EU、ロシアは挙ってアジアとの取り組みを進めている。そして、そのアジアの中心はまだ日本にある。失われた20年や3・11により、日本人は今、自信を喪失し、内向きになっているが、日本人はもっと自信を持ち、日本に有利に交渉を進めるくらいの気概を持つべきである。幕末・維新、敗戦といった過去の国難を、日本人がどの様な覚悟と気概を持って乗り越えてきたかを学ばねばならない。覚悟には、理念、志、情熱が必要である。

    手を携え動乱の時代を乗り切るためには、個人、企業、地域、国とも、信頼できる友人を持つことが重要である。

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