財団概要
About the Foudation
沿革
東芝国際交流財団が誕生した1989年は、同年のベルリンの壁の崩壊に象徴されるように世界が大きな変動を始めた年でした。また、日本では元号が昭和から平成に変わった年であり、様々な意味で新たな時代の幕開けとなる年でした。
1980年代に日本は輸出産業を中心とする経済成長を遂げ、国際社会における存在感も増していった時期でしたが、ハイテク分野を中心とする海外との貿易摩擦も深刻化する中、技術や経済のポテンシャルだけでなく、その固有の文化や社会制度を含め、グローバル社会において日本の全体像の理解を深めて頂く必要性を痛感し、「対日理解の促進」を基本ミッションとする財団を立ち上げました。
財団創設の初期は、自主企画に基づく各種国際シンポジウムの開催や、海外の有力美術館の大型企画展への協力、海外の大学図書館などへの日本研究図書の寄贈、欧米やアジア等からの留学生の受け入れ等を中心に事業を発展させてまいりましたが、現在では、海外の教育機関や学会、シンクタンク等による様々な国際シンポジウムやセミナー、海外の美術館等での日本文化の発信、日本に関する調査研究活動、そして人材育成プログラムの支援等を中心とする「公募助成型事業」、及び対日理解促進に資する次世代人材の育成や日本に関する情報の調査・発信を中心とする「自主事業」の二つの柱を基軸に、活動を展開しております。
財団創設以来30年の間に、グローバル社会、そして日本社会そのものも大きく変貌し、国と国、地域と地域の「相互理解」、「相互信頼」の必要性はこれまで以上に高まっています。時代の変革と共に、「対日理解促進」をミッションとする当財団のあるべき姿や、重点テーマ等も変わっていくものと考えますが、常に新たな視点やアプローチにオープンな姿勢を保ち、財団活動を通じてグローバル社会の発展に貢献してまいります。
年 | 世界の動き | TIFOの活動 | |
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1989 | ベルリンの壁崩壊、米ソ首脳が冷戦終結宣言 |
1989 |
TIFO設立(4月11日) |
平成元年(日本) |
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1990 | バルト三国ソ連から独立、ドイツ東西統一 | 1990 |
第1回、第2回TIFOシンポジウムを日本及びフランスで開催 |
ルーブル美術館へ日本語解説パネル寄贈 | |||
1991 | ソ連邦の解体 | 1991 |
第3回TIFOシンポジウムをロンドンで開催 |
日米メディア会議(「2国間の摩擦報道について」)を開催 | |||
1992 | バルセロナオリンピック | 1992 |
日米都市交流シンポジウムの開催 |
マレーシア国立図書館に日本図書を寄贈 | |||
1993 | 欧州共同体(EU)の統合市場が発足 | 1993 |
第5回TIFOシンポジウムをシンガポールで開催 |
1994 | 北米NAFTA発効 | 1994 |
ボストン日本協会と共催で「現代日本における芸術家の役割」に関するシンポジウムを開催 |
ボストン美術館の館内案内パンフレット制作支援 | |||
1995 | 阪神淡路大震災 | 1995 |
ヴェニス大学にて谷崎潤一郎に関するシンポジウムを開催 |
1996 | アトランタオリンピック | 1996 |
シンガポール日本文化祭の和太鼓の演奏を助成 |
1997 | アジア通貨危機 | 1997 |
ピッツバーグ大学で日本の映画、舞台芸術祭 |
1998 | サッカーワールドカップフランス大会 | 1998 |
EAJS(ヨーロッパ日本研究協会) Fellowshipの開始 |
1999 | 欧州連合(EU)の単一通貨ユーロ誕生 | 1999 |
シンガポール国立大学学生留学助成 |
TIFO設立10周年シンポジウムを開催 | |||
2000 | シドニーオリンピック | 2000 |
ルーブル美術館でTIFO記念シンポジウム開催 |
2001 | 米国同時多発テロ発生 | 2001 |
米バージニア美術館浮世絵展開催 |
2002 | サッカーワールドカップの日韓同時開催 | 2002 |
米メトロポリタン美術館「書のイメージ」展 |
2003 | イラク戦争勃発 | 2003 |
ハノイ国立大学における日越友好30周年記念事業実施 |
インドネシア「日本との外交関係30年」シンポジウムを開催 | |||
2004 | スマトラ沖地震発生 | 2004 |
TIFO設立15周年シンポジウムを開催 |
日本語教育セミナー(タイ王国元日本留学生協会)開催 | |||
2005 | ロンドン同時多発テロ発生 | 2005 |
英王立国際問題研究所主催「日本問題検討会」助成 |
第1回国際講座を城西大学で開催 | |||
コロンビア大学に雅楽のためのコース(雅楽コース)を新設 | |||
2006 | サッカーワールドカップドイツ大会 | 2006 |
ウィーン大学のシンポジウム「幕末・明治の戯画・風刺画」を助成 |
2007 | 米サブプライム問題で世界の経済金融に混乱 | 2007 |
ネルー大学セミナー「インドと日本、新時代の関係」を助成 |
ブリティッシュコロンビア大学主催の伊勢物語ワークショップを助成 | |||
2008 | 北京オリンピック開催 | 2008 |
ビクトリア&アルバート美術館所蔵マザランチェスト修復完成 |
リーマンショック | 第1回東芝地球未来会議開催 | ||
2009 | ドバイショック | 2009 |
TIFO20周年設立シンポジウムを開催 |
INALCOで物語文学パリ国際シンポジウムの開催 | |||
2010 | チュニジアで反政府暴動が起こりアラブ各国に飛び火 | 2010 |
国際アジア共同体学会(インドネシア)開催 |
2011 | 東日本大震災 | 2011 |
フリーア美術館/サックラー美術館「千種」シンポジウムを助成 |
歴史上の円高(円ドル相場更新) | 財団法人から公益財団法人へ移行 | ||
2012 | ロンドンオリンピック開催 | 2012 |
欧州日本研究所 国際会議「EU-Japan Relations : An Agenda for the Future」の開催 |
2013 | 2020年東京オリンピックの開催が決定 | 2013 |
第10回東芝レクチャーシリーズ(ロンドン、ノリッチ) |
富士山、世界自然遺産に登録 | ハノイ国家大学の日越国交40周年記念事業を助成 | ||
2014 | ブラジルFIFAワールドカップ開催 | 2014 |
TIFO設立25周年シンポジウムおよびレクチャーを開催(米、欧、亜、日) |
イーストアングリア大学 第1回サマースクール開催 | |||
第1回TOMODACHI Toshiba Science & Technology Leadership Academyを開催 | |||
2015 | COP21、「パリ協定」を採択 | 2015 |
第1回Toshiba Youth Club Asiaを開催 |
2016 | リオデジャネイロオリンピック開催 | 2016 |
ビクトリア&アルバート・ミュージアム 東芝ギャラリーの改装記念シンポジウム開催 |
東芝レクチャーシリーズ(英国)で日本のロボットを紹介 | |||
米マサチューセッツ工科大学(MIT)がジャパン・デザイン・ワークショップ開催 | |||
2017 | 米土星探査機カッシーニが任務終える | 2017 |
インド国際経済関係協議会が「日印経済連携に関する専門家対話」を実施 |
2018 | ASEAN加盟10か国の域内関税がゼロに | 2018 |
ケンブリッジ大学博士課程奨学金制度開始 |
2019 | 日本でラグビーワールドカップ開催 | 2019 |
TIFO設立30周年(4月11日) |
新元号が「令和」に決定 (日本) | |||
2020 | コロナウィルス拡大 | 2020 |
コロナ禍によりオンライン事業化推進 |
2021 | 東京オリンピック、パラリンピック開催 | 2021 |
欧州日本研究者協会 (EAJS) 2021大会に協賛 |